中には“見掛け上”の近視も
近視とは、近くが見えやすく、遠くが見えにくい状態のことを言います。眼軸長と言いますが、眼が“長く”なることにより、近視が進行していきます。
お子さんで近視の傾向があると判断されれば、点眼薬やオルソケラトロジーなどの治療もありますが、生活上の注意を踏まえて行動することがまず優先されます。例えば、近くを30分⾒ていたら、20秒遠くを⾒るだけで近視の進行を予防することができます。また、太陽のもとで外遊びを心がけることも有効で、海外では近視の抑制を目的として授業に組み込んでいるところもあります。
近視が進み、強度近視の状態になると、眼底出血や網膜剥離などの疾患のリスクが増えることになります。単に「見えづらくなる」というだけではなく、失明等につながる病気のリスクも増すことになりますので、学校検診で近視が指摘されれば、クリニックで検査を受けていただきたいですね。その際、注意していただきたいのが、子どもの場合、見掛け上の近視があり得る、ということです。お子さんはピントを合わせる筋肉が働きすぎることがあり、近視と誤って診断されることがあるのです。近視傾向があるかどうかを正確に判断するためには、ピントを合わせる筋肉の働きを弱める薬剤を用い、眼軸長の検査等、多角的な検査で本当に治療が必要かどうかを診断してもらうことが重要です。
- おおはら眼科
- 大原 重輝 院長
- 葛飾区/奥戸/新小岩駅
- ●眼科 ●小児眼科